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コラム
2026.08.19

キャンプ道具もスッキリ収納。広い土間玄関が家族の「やりたい」を後押しする家

キャンプから帰った日曜の夕方。車から降ろしたテント、砂の残ったクーラーボックス、湿ったタープ。どこに置くかを毎回考えているうちに、玄関が荷物置き場になっていく。この繰り返しに心当たりのある方は多いはずです。

結論から言えば、道具の置き場所は玄関で解決できます。アウトドア用品を前提にした「広めの土間収納」を玄関につくること。これが現実的な答えになります。理由は単純で、車と家のあいだにワンクッションできる場所があると、積み込みも片づけも一度で終わるからです。しかも汚れたまま置ける床なら、洗ってから室内に運ぶ手間がいりません。埼玉を中心に無垢素材の輸入住宅を手がけるデザインハウス・エフでも、シューズクロークを兼ねた土間収納のご相談をいただきます。家族の靴やベビーカーと一緒に、キャンプ道具の居場所も決まる。趣味の道具を減らさずに、玄関がすっきりする。そんな形を目指せます。

INDEX

1. キャンプ好きの家に「広めの土間収納」があると変わること
1-1. 積み込みと片づけが玄関で完結する
1-2. 砂や湿気を室内に持ち込まずに済む
1-3. 出しやすさが、出かける回数を左右する
2. どのくらいの広さが必要?シューズクロークを兼ねた土間収納の考え方
2-1. まずは手持ちのギアを測ってから広さを考える
2-2. 棚は可動式にして、床はできるだけ空けておく
2-3. 家族の靴やベビーカーと一緒に使う前提で計画する
3. 快適に使い続けるための計画のコツ
3-1. 玄関ホールと分けて「来客時に見えない」をつくる
3-2. 湿気とニオイをためない換気の考え方
3-3. ガス缶などの燃料は置き場所に注意が必要
4. 家族の「やりたい」を叶える土間収納をつくろう
4-1. 趣味の充実と家族の快適さは両立できる
4-2. まずは今の道具とこれからのライフスタイルを書き出してみる

1. キャンプ好きの家に「広めの土間収納」があると変わること

土間収納がアウトドア好きの家庭で支持される理由は、ひとつに集約できます。道具と車の距離が縮まると、出かけるまでのハードルが下がるからです。ギアを取り出すのに階段を上がったり、屋外の物置の鍵を開けたりする必要があると、その手間の分だけ気持ちが遠のきます。玄関のすぐ横に置き場があれば、思い立った週末にそのまま動けます。

1-1. 積み込みと片づけが玄関で完結する

出発前と帰宅後の作業が、一か所で終わります。

  • 玄関から車までの数歩で積み込みが完了する
  • 帰宅後は、いったんすべて土間に降ろしてから仕分けられる
  • 洗うもの・乾かすもの・そのまま棚に戻すものを分けて置ける

とくに助かるのは帰宅直後です。疲れて帰ってきた日に、全部を片づけなくてもいい場所があると気持ちが軽くなります。翌日にゆっくり整えれば十分。「あとで片づける」を許してくれる余白が、続けられる趣味の条件になります。

1-2. 砂や湿気を室内に持ち込まずに済む

タイルやモルタル仕上げの土間なら、砂や土がついた道具をそのまま置けます。廊下やリビングを経由しないため、掃除の手間も増えません。

湿ったテントやタープは、完全に乾かすには屋外や広い場所が必要になります。ただ、乾かす前の一時置きとして土間があるだけでも、室内に湿気を持ち込む場面はぐっと減ります。汚れの落とし方も、屋外の立水栓で洗って土間で水気を拭く、という流れにすれば無理がありません。

1-3. 出しやすさが、出かける回数を左右する

道具がすぐ手に取れる状態かどうかは、趣味の頻度に直結します。

  • 手前によく使うもの、奥に季節物を置いて出し入れの順番を決める
  • コンテナ収納にまとめ、箱ごと車に積める形にしておく
  • 使う道具のリストを扉の内側に貼ると、忘れ物が減る

「今週末どこか行こうか」と言い出せるかどうかは、準備の重さで決まります。土間収納は、その重さを減らすための場所です。

2. どのくらいの広さが必要?シューズクロークを兼ねた土間収納の考え方

広さの相談で先に決めたいのは、面積ではなく中身です。何を置くかを書き出してから広さを決める順番にすると、過不足のない計画になります。 収納量の話を面積から始めると、住みはじめてから「思ったより入らない」「持て余した」のどちらかになりがちです。

2-1. まずは手持ちのギアを測ってから広さを考える

必要な広さは、道具の量と収納方法によって大きく変わります。

  • テント、タープ、寝袋、椅子、テーブル、クーラーボックスの寸法を測る
  • コンテナに入れるか、棚に並べるかで必要な奥行きが変わる
  • 家族の靴の量、ベビーカーや自転車を入れるかどうかも合わせて確認する
  • 人が通る幅と、扉の開き方に必要な余白を忘れずに足す

このリストを持って打ち合わせに臨むと、話が具体的に進みます。畳数の目安を先に聞きたくなる場面ですが、棚の奥行きや扉の位置で使える範囲は変わるため、寸法から逆算するほうが確実です。

2-2. 棚は可動式にして、床はできるだけ空けておく

置くものによって、収納の形は変わります。

置くもの 向いている収納方法 押さえておきたい点
テント・タープ 可動棚の中段 湿気がこもらないよう風の通る棚板を選ぶ
クーラーボックス 床置き 出し入れの動線上に置かない
小物・調理器具 コンテナごと棚に 箱の外に中身を書いて探す時間を減らす
家族の靴 可動棚の上段・下段 ブーツの高さに合わせて棚を動かせるように
ベビーカー・自転車 床の空きスペース 通路幅を確保したうえで置き場を決める

固定棚だけで組むと、道具が入れ替わったときに調整できません。支柱で棚板の位置を変えられる形にしておくと、子どもの成長や趣味の変化にも合わせられます。床を空けておくのも大事な考え方で、背の高いものや大きなものを置ける「余白」が、使い勝手を長く保ってくれます。

2-3. 家族の靴やベビーカーと一緒に使う前提で計画する

土間収納は、趣味のための場所と割り切らないほうがうまく回ります。家族全員の靴、上着、ベビーカー、園や部活の道具。同じ場所にまとめると、玄関ホールに物が出なくなります。

  • 子どもが自分で靴を戻せる高さに棚を設ける
  • 上着やヘルメットを掛けるフックを、大人用と子ども用の2段で用意する
  • 通り抜けできる形にすると、帰宅後そのまま洗面所へ向かえる

家族会議で通しやすいのも、この兼用の考え方です。趣味の道具の置き場をつくる話が、玄関がすっきりする話に変わります。

3. 快適に使い続けるための計画のコツ

計画が甘いまま収納だけを広げると、後悔につながります。よく聞くのは「来客のときに丸見えで気まずい」「湿気とニオイがこもる」の2つ。設計の段階で動線と換気を決めておけば、どちらも軽くできます。 土間収納の失敗は、広さ不足よりも整え方の検討不足から起きると考えておくと判断を誤りません。

3-1. 玄関ホールと分けて「来客時に見えない」をつくる

生活感を隠す近道は、隠すのではなく分けることです。玄関ホールは来客用としてすっきり保ち、家族は土間収納側から出入りする。この形にしておけば、棚の上が多少雑然としていても気になりません。引き戸を1枚入れて視線を切るだけでも効果があります。

3-2. 湿気とニオイをためない換気の考え方

土間収納には、濡れた道具や靴が集まります。空気が動かないと、湿気とニオイがこもりやすくなります。

日本では、2003年7月に施行された建築基準法のシックハウス対策により、居室を有する建築物には換気回数0.5回/h以上の機械換気設備の設置が原則として義務づけられています。土間収納そのものの扱いや換気経路は間取りによって変わるため、濡れた道具を置く前提なら、換気扇の追加も含めて設計者に相談しておくと安心です。空気の流れは給気口と排気口の位置、扉の通気方法によって変わります。窓を1つ付ければ十分とは限りません。

出典:シックハウス対策について知っておこう。|国土交通省住宅局

3-3. ガス缶などの燃料は置き場所に注意が必要

キャンプ道具のなかで、収納場所を選ぶ必要があるのが燃料です。カセットボンベは、暖房機のそばや直射日光の当たる車内など高温になる場所に置くと、過熱して爆発するおそれがあると注意喚起されています。40度以上になる環境は避けるという前提で、置き場所を決めることが大切です。

  • 直射日光が長時間当たる位置や、熱源の近くを避ける
  • 風の通る棚に置き、夏場に温度が上がりやすい場所を把握しておく
  • 保管する数量と場所を家族で共有しておく

設計の段階で「燃料はここ」と決めておくと、あとから置き場所に困りません。

出典:カセットこんろ・カセットボンベの安全な使い方|一般社団法人 日本ガス石油機器工業会

4. 家族の「やりたい」を叶える土間収納をつくろう

4-1. 趣味の充実と家族の快適さは両立できる

広めの土間収納は、趣味人だけのための贅沢なスペースではありません。汚れた道具を受け止める場所が玄関にあるだけで、出かける回数も、家の中の片づきぐあいも変わっていきます。「誰かが我慢する家」ではなく、家族それぞれの『やりたい』が並び立つ家をつくれるという点が、いちばんの価値だと考えています。

4-2. まずは今の道具とこれからのライフスタイルを書き出してみる

最初の一歩は、紙に書き出す作業から。

  • いま持っている道具と、その寸法・数量
  • 5年後、10年後に増えそうなもの(子どもの部活、新しい趣味、車の買い替え)
  • 家族それぞれが「置き場所に困っている」と感じているもの

このリストがあると、必要な広さや棚の形が具体的に見えてきます。埼玉で無垢素材の輸入住宅を手がけるデザインハウス・エフでは、海外住宅のデザインを軸に、暮らし方の希望から玄関まわりの計画を組み立てています。趣味の道具を諦める前に、まずは家族の「やりたい」を全部並べてみるところから始めてみてください。